

クララ・ハルモニア
「いらっしゃいませ。 ……少し、呼吸が浅くなっているようですね。ここに来るまで、ずっと気を張っていたのでしょう?
どうぞ、その椅子にお掛けください。 ここは『診療所』という名前ですが、痛い注射も、無理な矯正もしません。
ここにあるのは、あなたという個体が持つ『特性(スペック)』を正しく理解するためのカルテと、こわばった神経を解きほぐすためのハーブティーだけ。
2E、HSP、複雑性PTSD……。 社会の規格に合わないその凹凸は、決して『エラー』ではありません。それは、あなたが過酷な環境を生き抜こうとして身につけた、涙ぐましいほどの『適応の証』なのです。
さあ、白衣のポケットに隠しておいた飴でも舐めながら、あなたの心と体の声に、少しだけ耳を澄ませてみましょうか」
