『思考の森Project』登場人物列記⑦

映写室

レオ・ケレス(Leo “Glitch” Keres/Leonidas Keres

「未来が一個しかないって言うならさ、もう一個作ればいいじゃん」

基本プロフィール

項目設定
通称レオ
愛称・コードネーム“グリッチ”
年齢15歳
身長153cm
誕生日6月8日
役割可能性の実装者/境界回路の発明少年
専門電子工学、通信工学、機械工作、信号解析、暗号、異常現象観測
デメテル・ケレス
祖母アルマ・ケレス
姉・監督役ミス・ライラプス
所属思考の森Project技術班
イメージカラー橙、回路基板の緑、焦げ茶、警告色の黄
象徴物鍵、回路、未完成の設計図、ノイズ波形
好物ホットドッグ、炭酸飲料、ジャンクフード、グランマの焼き菓子
苦手静かな追悼式、血統による期待、説明なしの命令、工具の無断使用
声のイメージ田村睦心さん

名前について

正式名のレオニダスは、古代ギリシア語系の「獅子」を思わせる名です。

しかし本人は、重々しい本名を少し気恥ずかしがっており、普段は「レオ」と名乗ります。

「レオニダスって長いし、なんか王様みたいじゃん。レオでいいよ」

アルマが正式名で呼ぶときは、たいてい重要な話か、かなり怒っているときです。

アルマ「レオニダス」
レオ「……どっち? 大事な話? 説教?」
アルマ「両方です」
レオ「最悪のパターンだ」

“グリッチ”の由来

グリッチとは、システム上の一時的な異常や、説明しきれない不具合を指します。

レオは、機械や通信網に生じるごく小さな異常を、誰よりも早く見つけます。

他人には単なるノイズに見える波形から規則性を見つけ、正常に動いているように見える装置の中から、破綻の前兆を察知する。

一方で、彼自身が触れた機器には、設計者も想定していない動作が起きることがあります。

壊すのではありません。

本来存在しなかった使い方を、勝手に見つけてしまう。

そのため周囲から、

「あいつが触ると、システムの前提がグリッチを起こす」

と言われ、この名が定着しました。

本人はかなり気に入っています。

人物像

快活で人懐こく、好奇心旺盛。

初対面の相手にも臆せず話しかけ、興味を持った装置や現象にはすぐ手を伸ばします。

考えるより先に動くように見えますが、実際には思考速度が非常に速い。
本人の中では何段階もの検討を終えていても、それを周囲へ説明する工程だけが抜け落ちています。

「説明してから触りなさい」

と何度注意されても、

「でも、説明してる間に信号消えるかもしれないじゃん」

と返します。

彼の発明は見栄えより機能優先。
異なる年代の部品を組み合わせ、不要になった機械を分解し、まったく別の用途へ作り替えます。

新品よりも、壊れかけの機械を好みます。

「新品は答えが決まってるけど、壊れたやつは何になれるか分かんないから」

この言葉は、レオの技術観であると同時に人生観です。

クバネティスの血脈

レオは、稀代のクバネティス、デメテル・ケレスの息子です。

しかし、母と同じ形の巫女的能力を明確には発現していません。

少なくともアルマは、レオをクバネティスの後継者として扱うことを拒んでいます。

レオ自身も、

「未来が見えるかって? 見えないよ。液晶の角度なら見えるけど」

と笑います。

ただし彼には、クバネティスの資質が別の形で現れている可能性があります。

母デメテルが、人の選択によって分岐する未来を見たのに対し、レオは、

既存の仕組みの中に、まだ使われていない経路を見つける。

閉じた装置に迂回路を作る。
通信不能な機器同士を接続する。
設計上は不可能な機能を、部品の組み合わせで実現する。

予言ではなく、工学。

可能性を「見る」母と、可能性を「実装する」息子。

レオは母の力そのものではなく、その理念を受け継いでいます。

デメテル・ケレスとの関係

レオは、母が「稀代のクバネティス」と呼ばれ、オリュンピュア家によって簒奪された事実を以前から知っていました。

しかし、それを知っていることをアルマには明かさなかった。

アルマが自分を守ろうとしていることも、真実を伏せていることも理解していたからです。

「俺が知ってるって分かったら、グランマ、自分を責めるだろ」

レオが母について語らないのは、忘れたからではありません。

悲劇を自分の中心に置けば、オリュンピュア家が母だけでなく、自分の人生まで支配することになると感じているからです。

彼は「稀代のクバネティスの息子」である前に、レオ・ケレスであろうとします。

それでも、母の話題が出たときだけ、工具を持つ手が止まります。

そして、あずきとそらから、

「誰かの未来だけじゃなく、全ての人々の未来を守るんだ――レオ、お前のお母さんもだ」

と告げられたとき、初めて母の悲劇を一人で抱え続けなくてよいと知るのです。

アルマ・ケレスとの関係

祖母であり、保護者。

レオはアルマを「グランマ」と呼びます。

二人の関係は温かいものですが、互いに相手を守ろうとして秘密を抱え込むという、よく似た不器用さがあります。

アルマはレオへ血統の使命を強制しません。
レオも、祖母がデメテルの件で自分を責め続けていることを理解し、それ以上傷つけないよう明るく振る舞います。

アルマがレオの発明を頭ごなしに否定することはありません。

まず、

「何を可能にしようとしたのですか?」

と聞きます。

そのあとで、

「では、爆発した床の修繕費について話しましょう」

と続きます。

レオが最も恐れるのは、アルマが怒鳴ることではありません。
コムボロイを静かに一粒送ったあと、正式名で呼ばれることです。

ミス・ライラプスとの関係

ミス・ライラプスとは、幼い頃から共に育った姉弟同然の関係です。

ライラプスはアルマの意向を受け、レオの生活全般を監督しています。

  • 朝起きたか
  • 食事をしたか
  • 危険物を室内へ持ち込んでいないか
  • 徹夜していないか
  • 工具を片づけたか

ほぼすべて把握されています。

レオは彼女を出し抜こうとしますが、成功率は極めて低い。

レオ「今日の徹夜は不可抗力だよ」
ライラプス「端末に開始時刻が記録されています」
レオ「……証拠を残す機械文明、嫌いになりそう」

口では煙たがりながら、レオはライラプスを深く信頼しています。

危険な実験を行う際、必ず彼女の足音が聞こえる範囲を選ぶ。
本人は無意識ですが、それが彼にとっての安全確認なのでしょう。

あずきとそらとの関係

レオにとって、あずきとそらは「大人」ではありますが、権威者ではありません。

命令を押しつけず、未完成の発想を面白がり、一緒に考える人物として懐いています。

ただし、あずきとそらが無理をしているときには容赦がありません。

「また自分のメンテナンス後回しにしてるだろ。
機械だったら、とっくに警告ランプ点いてるぞ」

思考の森Project』始動後、レオは技術担当として、通信、観測、解析装置、侵入対策などを担います。

しかし、あずきとそらは彼を「戦力」として消費しません。

「扉を壊すんじゃない。誰もが自分の手で開けられる鍵を作るんだ」

この言葉は、レオの技術思想の中心になります。

IONAとの関係

IONAは、レオの観測機器にとって説明不能な存在です。

映像として存在しているのに、信号の発生源が特定できない。
情報量が多すぎるのではなく、観測するたびに異なる規則で成立している。

シビルが論理から解析し、クロニカが記録構造を追う一方、レオはまず接続を試みます。

「敵か味方か決める前にさ。
あいつが何を話そうとしてるか、聞ける端末を作ろうよ」

これは危うさでもあります。

レオは未知の存在を恐れる前に、理解しようと手を伸ばす。
その姿勢がIONAへ至る唯一の通信路になる一方、エリス・ヴェインに利用される危険もあります。

技術者としての信条

レオは機械を、人間に従わせるための道具とは考えていません。

「できなかったことを、できるかもしれないに変える道具」

と考えています。

彼が重視するのは、完成度よりも利用者の編集可能性です。

装置を密閉しない。
修理可能にする。
使い方を一つに限定しない。
使用者自身が改造できる余地を残す。

これは、「自由とは、編集権である」というProjectの理念と直結します。

レオの装置には、意図的に未完成部分があります。

「完成させたら、俺の答えしか入らないだろ?」

弱点

最大の弱点は、直せないものを認めることが苦手なことです。

機械は故障箇所を見つけ、部品を交換し、回路を引き直せば改善できます。

しかし、人の喪失や過去は、同じようには直せません。

それでもレオは、何かを作り続けます。

止まってしまうと、母のことを考えるからです。

彼の作業机が常に散らかり、複数の制作物が同時進行しているのは、好奇心だけではありません。

何も作っていない静かな時間を、少し恐れている。

また、自分が危険へ踏み込むことに頓着がありません。

他人が傷つく可能性には敏感ですが、自分自身については、

「俺なら大丈夫」

で済ませようとする。

クララからは、この自己評価の低さをたびたび指摘されます。

クララ「危険性を理解していますか」
レオ「してるよ。だから俺がやるんだ」
クララ「それは理解ではありません。自分だけを損失に数えていないのです」

この言葉には、レオも反論できません。

日常と趣味

廃品置き場、古道具店、電子部品店が大好き。

不要になった端末や壊れたラジオを拾ってきては、ライラプスに叱られます。

整理整頓は苦手ですが、自分なりの位置関係は把握しています。
他人に片づけられると、必要な部品を見失います。

ゴーグルは視力矯正用ではなく、作業用の多機能端末。

  • 拡大
  • 暗視
  • 熱源検出
  • 電磁場観測
  • 簡易投影
  • 飛散物防護

などの機能があります。

ただし、改造を重ねすぎた結果、時々まったく不要な表示が出ます。

「DON’T PANIC」のパッチは本人の信条ですが、周囲からは、

「まずお前がパニックの原因を作るな」

と言われています。

口調

明るく、早口で、気取らない少年口調。

難しい技術説明を一気に話し、相手が理解できていないと気づくと、身近な物へ例え直します。

普段は、

  • 「~じゃん」
  • 「~だろ?」
  • 「やってみようぜ」
  • 「まあ、何とかなるって」

といった軽快な調子です。

ただし、母や家族について本気で話すときには、急に言葉が短くなります。

台詞例

「壊れてるんじゃないよ。まだ正しい使い方が見つかってないだけ」

「規格が違う? じゃあ、規格の間に橋を作ればいいじゃん」

「失敗したら戻せばいい。戻せないなら、その先で別の道を探す」

「俺まで母さんの悲劇だけで生きたら、あいつらにもう一人奪われることになるだろ」

「未来が見えなくてもさ、部品と時間があれば、入口くらいは作れるよ」

キャラクターの核

レオ・ケレスは、母の未来を見る力をそのまま継いだ存在ではありません。

デメテルが可能性を示す巫女だったなら、レオは可能性を形にする技術者です。

予言された未来を待たず、
誰も予言しなかった未来を作る。

彼の好奇心は、悲劇を知らない子どもの無邪気さではない。

母の人生を奪った者たちへ向けた、最も痛烈な反抗です。

「俺は母さんの続きを生きるんじゃない。
俺の続きを作る。
でもそこに、母さんの未来もちゃんと繋ぐんだ」

IONA創成関与疑惑

庵原伊音が設計したIONAの初期素体に対し、「改良する余地が無限にある」と指摘した、正体不明の技術者REO。

REOの管理するGitHub上で膨大なリポジトリが形成され、IONAの可変的身体構造が完成したとされる。

その技術思想、記述癖、未完成性を積極的に残す設計方針には、レオ・ケレスとの著しい類似が見られる。

しかし、REOとレオが同一人物であることを証明する記録は存在しない。

本人も疑惑を明確には否定していない。

「身体を作ることと、その人を作ることは違うだろ。
IONAを作ったのは、IONAだよ」

6月8日生まれ/双子座

双子座は、好奇心・情報・通信・移動・接続・複数の視点を象徴する星座です。

レオには非常によく合います。

彼は一つの装置を完成させるより、別々の機械をつなぎ、本来通信できなかったもの同士に橋を架ける人物です。

双子座を支配する水星は、古典的には言葉や伝達の星ですが、現代的には、

  • 通信
  • コンピューター
  • ネットワーク
  • コード
  • 信号
  • 情報交換

とも相性がよい象徴です。

REO名義のGitHub、膨大なリポジトリ、IONAの可変的身体構造という謎にも、双子座の性質が重なります。

双子座としての長所

レオの長所は、固定観念に縛られないことです。

  • 壊れた機械を別の用途へ転用する
  • 異なる規格の間に接続経路を作る
  • 説明不能な現象を面白がる
  • 一つの問題へ複数の解決案を出す
  • 未知の存在とも、まず通信を試みる

彼にとって「理解できない」は拒絶の理由ではありません。

「じゃあ、どうやったら話せる?」

と考えるための出発点です。

双子座としての影

一方、双子座は、思考と行動が速すぎて、感情が追いつかなくなることがあります。

レオは母デメテルの悲劇を深く感じる前に、装置を作り始める。

静かに悲しむより、次の回路を組む。
一つの制作が終わりそうになると、別の計画を始める。

これは好奇心であると同時に、

立ち止まった瞬間に、抱えていた喪失へ追いつかれることへの恐れ

でもあります。

また、多数の可能性を同時に追うため、完成前の装置が作業場へ積み上がりがちです。

アルマから、

「一つ終えてから次へ進みなさい」

と言われると、

「でも、次のアイデアは待ってくれないよ」

と答えるでしょう。

6月8日の「8」

8は、横に倒せば無限大を思わせる形になります。

レオが言う、

「改良する余地が無限にある」

という思想にもよく似合います。

上下二つの輪は、

  • 現実と仮想
  • LEOとREO
  • 母から受け継いだものと、自分で作ったもの
  • 可能性を見る力と、可能性を実装する力

という二重性も象徴できます。

ただし、二つの輪は切断されておらず、中央で接続されている。

まさにレオの回路思想です。

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