エリス・“ディスコード”・ヴェイン (Eris “Discord” Vane)

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初出

「ディスコード」――魔女との遭遇にて、あずきのそらのPCに侵入することで自身を誇示する。

役割

オリュンピュア財閥 企業防衛局(Olympeia Security Bureau)【ヘルメス機関】機関長。

ヘルメス機関は物理的・デジタル的な排斥を行う実動部隊であるが、より暴力的な装置である【ネメシス執行隊】とは異なり、主に情報戦を多用し、対象への扇動、情報攪乱、情報簒奪を担う組織である。

エリスはその実行責任者として、『趣味と実益』を兼ねた実に巧妙で醜悪な工作活動を先導する。

人物像

ギリシャ神話の「不和の女神」の名を冠する、流れるような金髪と蠱惑的な微笑を持つ情報戦の指揮官。
彼女は自分を「悪」だとは微塵も思っていない。
「嘘をつく者」ではなく、「嘘を愛させる者」である。
人々が心の奥底で抱える不安、偏見、他者への憎悪――それらを肯定し、心地よい物語(フェイク)として提供することで、大衆が自ら進んで嘘の海に溺れていく様を「美しい群像劇」として鑑賞している。
最終的に分断が起きたとしても、彼女は「彼らが自分でその物語を選んだのだ」と、すべての責任を軽やかに大衆自身へ投げ返す。

また、『興味の対象』となり得た存在に異常な執着を示すことがある一方、興味を逸した存在に対しては実に粗雑な対応を取る。

能力

エリスは読者の心を「麻痺」させるために劇薬(甘い嘘)を盛る。

エリスの恐ろしさは、読者が自ら、エリスの提供する刺激的なフェイクを選び取るように仕向ける点にある。
言葉、信頼、読者との関係性というヴェスタの信念「編集者の魂」を根底から汚染する最悪のアンチテーゼ。

シビルが暴き出すであろう『不可視の構造(真実)』すら、エリスは「数あるエンタメの一つ」として消費させる。

人々が真実よりも「自分にとって都合のいい嘘」を愛するように調教されているため、シビルの論理的な真理提示は、エリスの前に「誰も見向きもしない退屈なドキュメンタリー」として無力化されてしまう。
あずきとそらが「自由とは、編集権である」と説くなら、エリスは「ええ、だから大衆は『自分にとって一番心地よい嘘(他者への憎悪)』を自由に編集して選んだのよ。素晴らしい自由ね」と微笑む。

犠牲の上の利益」という歪んだ構造を大衆自身に肯定させる、思考森Projectの理念そのものを侵食する最大の毒。

愛用の道具

端末『ゴールデン・アップル』: 大衆の無意識の欲望をプロファイリングし、彼らが「最も信じたがっている分断の種(画像・テキスト)」を自動生成するAIジェネレーター。

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